先日、劇場版ワンピースの新作を観に、映画館へ行きました。
ルフィという主人公が仲間と共に強敵に立ち向かい、勝利を勝ち取る様子を眺め、後ろのギャルと一緒に「うわぁ〜いけてる〜」と小声を漏らしながら楽しませていただきました。
ルフィは誰にも屈することなく、信念を貫き、理想のためにただひたすら突き進んでいく男。
彼に夢中になり、応援し、一緒に冒険する気分を味わう。
ワンピースが全世界で累計発行部数4億5000万部を突破(2019/03/04時点)するほど支持されているのも当然だ!
「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」
という映画のDVDの貸し出しがどうやら始まったらしい。。
タイトルからして興味がそそられる。
何やら調べてみると2017年8月26日に公開されたドキュメンタリー映画で
ぴあ映画初日満足度ランキング第1位
2017年度日本映画ペンクラブ賞<文化部門>第1位
2017年度第35回日本映画復興賞受賞
2017年度第27回日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞受賞
2017年度第91回キネマ旬報ベストテン<文化部門>第7位
(公式サイト調べ)
ととにかく評判がよく、坂本龍一によるオリジナル楽曲の提供、語りに今は亡き名バイプレイヤー大杉漣、当時映画館は満席続出だったそう。
それほどカメジローという男はヤバいのでしょう。
どういう風に楽しませてくれるのか、映画好きとして鼻の穴が膨らみます。。
ふぅ〜。。
さて鑑賞後、私はいったん牛乳を飲むためにリビングへ移動し、また部屋に戻り、振り出しに戻されていた映画のスタート画面を睨みながら思いました。
ヤバい日本にルフィがいた。
カメジローさんの皮膚が凄い伸びるということではありません。
精神がルフィなのです。
私ヤマシン、いち男として学ばなければならないことが、この映画にはモナ王のバニラアイスみたいにぎっしり詰まっていました。
私の名前は真太郎。
郎つながりで学ぶ運命にあったのです。
私がこの映画でカメジローさんの背中から学んだ3つの教訓を紹介します。
①ZARDを超える不屈な精神
②同情するなら敵を作れ
③ステーキよりも民衆
その前に、カメジローという人物についてざっくりと。
1907年6月10日豊見城村(現・豊見城市)我那覇の貧しい農家に生まれ、投獄、新聞記者などを経て、立法院議員(現・県議会議員)、市長を勤めます。
まあ経歴だけ見れば「ふ〜んすごいね」クラスです。
これだけで確実に私の100倍実績あるし、本にもなるレベルでしょう。
ここはそんなに重要じゃないのです。
カメジローさんが称えられる理由は、米軍支配下にある沖縄で一度も圧力に屈さずに信念を貫き通し、何十万人という沖縄県民から慕われ、戦後史を変えてしまった人物だからなのです。
そして、その奇跡を辿ったのがこの映画なのですね。
①ZARDを超える不屈な精神な精神
「負けないで」的なメッセージは、皆これまで生きてきた中で1万2000回くらい聞いてきているはずですが、この映画でカメジローさんに出会ってから、私の中にある全「負けないで」メッセージ受信箱のトップに、ZARDのシングル「負けないで」を抜いてカメジローさんが躍り出ました。
一つのエピソードを紹介します。
1952年4月1日、米軍によって破壊し尽くされた「首里城跡地」で行われた「琉球政府創立式典」。琉球政府は当時、体裁こそ住民の自治機関であったものの、実際は米軍の指揮下にあった。そこで立法院議員として参加したカメジローは起立すべきとされていた場面で起立をしなかった。また、押すべきとされていた宣誓書に捺印を押さなかった。「ポツダム宣言の受諾によって訪れるはずの平和がこない。しかもそれを阻んでいるのは宣言を主導し受諾を迫ったアメリカ。そこに矛盾を感じ、それは日本に対する侮辱である」という思いでそのような行動をとったということだ。米軍に誰も意見を言えなかった当時、その行動は会場を震撼させ、米軍を怒らせた。
要するに、キツいお仕置きがあることを気にせず、
嫌でも立たないといけない場面で立たなかった
嫌でもハンコを押さないといけない場面で押さなかった
のです。
歴史をみても正義は必ず勝つと信じ続けるカメジローさん。
どんな脅しや圧力に対しても動じず、正しいと思った道を進み続ける姿勢は、カメジローさんを取り囲む人々の気持ちをがっしりと掴むのでした。
電車で横入りしてくるオバハンに、しっかりと注意できない私は彼を勝手にメンターにしようと思う。
②同情するなら敵を作れ
1950年、首里中学校の校庭でカメジローは演説会を行った際に、集まった人数はなんと4万人。
4万人といえば埼玉スーパーアリーナと収容客数とほぼ同じ。
沖縄の当時の人口は当時80万人ほどだったことからも、その数が異常な数字であることはおわかりいただけるでしょう。
彼がその時に残した名フレーズがとても印象的でした。
「この瀬長(カメジロー)ひとりが叫んだならば、50メートル先まで聞こえます。ここに集まった人々が声をそろえて叫んだならば、全那覇市民にまで聞こえます。沖縄70万人民が声をそろえて叫んだならば、太平洋の荒波を越えてワシントン政府を動かすことができます。」
なんてわかりやすい、シンプルで、胸にすっと入ってくるフレーズでしょう。
今後チーム対抗スポーツ大会でリーダーをする機会があればこれを引用して大いに叫ぼう。
カメジローの演説を聞きにくる人たちの証言によると、「カメジローは私たちが権力を前にして言えないことをスカッと代弁してくれる」そうです。
惹きつける演説の根底にあるのは、代弁する勇気、皆の気持ちを理解できる共感力も去ることながら、敵(アメリカ)の存在をしっかりと打ち出すことで生まれる団結力であるように思えます。
ワシントン政府という大きな共通の敵へ果敢に挑む姿が、民衆の心を一つにするのではないでしょうか。
電車で横入りしてくるオバハンを注意して敵に回せば、後から知らないニイちゃんが援護射撃してくれるかもしれません。
③ステーキよりも民衆
カメジローさんは常に沖縄をどうすれば救えるか、民衆をどうすれば救えるかばかりを考えていたように見受けました。
犯人隠匿幇助の疑いで逮捕され、行われた裁判でカメジローさんが述べた言葉
「瀬長(カメジロー)の口を封ずることはできるかもしれないが、しかし、しいたげられた幾万大衆の口を封ずることはできない」
からも、とにかく民衆目線であることが印象的でした。
自己の利益のためではなく、皆が求める理想のために奔走する男だからこそ皆に慕われるのでしょう。
ステーキのために頑張る男よりも、誰かのために頑張る男の方がかっこいいですもんね。
電車で横入りしてくるオバハンに注意する際も、「自分が先に入りたいから」ではなく、「皆に迷惑だから」という感じで言えばいいのでしょうか。
以上3つの点を挙げましたが、他にも同じ人間として数多くの学ぶべき魅力をもつカメジローさん。
ルフィと精神力で戦えばもしかしたら勝てるのではないかと思ってしまうほど。
彼の生涯が簡潔にまとめられた映像を2時間で見ることができるのは、大変お得だなと思いました!
続編
も間も無く公開ということなので、この機会にぜひ押さえておきたい映画です!