こんにちは!
先日は「風をつかまえた少年」を鑑賞してきました。
14歳の少年が風力発電を使って村を救うお話です。
ストーリーはまんまこの通り、ポスターからなんとなく映画の全体像は予想できそうで、実際観てみると予想通りでした。
しかし面白い!
アフリカにあるマラウイという国が舞台。
人口のわずか2%しか電気を使えず、世界の国の中でも最貧困にあたる国です。
とにかく映像の説得力が強めです。
撮影は全て現地で行ったそうで、乾燥した土の感じとか、犬のあばら骨浮き出ている感じとか、とうもろこしを粉にしてお湯で練ったものを野菜の甘辛炒め的なものと一緒に食べる感じとか、ウルルン滞在記と匹敵するほどマラウイ国の風土がビシビシとスクリーン越しに伝わってきました。
主人公である少年ウィリアムを演じたのはマックスウェル・シンバというオーディションで勝ち抜いたケニア・ナイロビ出身の青年。
芝居をしているということを全く感じさせない、まさに今でもマラウイで野菜の甘辛炒めを食べてるだろうと思ってしまうほど、この映画に溶け込んでいました。
今作の監督であり主人公の父親役を演じた、アカデミー賞作品賞受賞映画「それでも夜は明ける」で主演を飾ったキウェテル・デフォーが彼を天才と認めていて、もし俳優業の道を進んでいくならぜひとも応援したいところです。
彼の存在もプラスとなり、とにかく映画の説得力が強力で、怪しさが一切ないのです。
マラウイ生活を擬似体験できると言っても過言ではないこの映画を観て私は二つの喜びを感じました。
一つは「スマホを充電できる喜び」です。
映画のクライマックスでバッテリーを充電するシーンがあります。
ただホイっと充電するのではなく、そこに行き着くまでにはとても長い道のりがあるのです。
そもそも「バッテリーを充電しよう」という概念を持っていないというところから始まります。
たまたま自転車の前輪に付いてるライト用の発電機「ダイナモ」を見つけたことからあんなことやこんなことをしてようやく映画終盤でバッテリー充電にたどり着きます。
映画中で1時間、実際の時間軸で考えると1〜2週間はかかっていたでしょうか。
それに対して、私はあくびをしながら充電器をコンセントにさして「充電している」という実感ゼロでスマホを充電しています。
私は今後マラウイのことを思い出し、「Zikomo」(チェワ語でありがとう)と唱えながらスマホを充電しようと思います。
二つ目は「図書館で本をいつでもいくらでも借りれる喜び」です。
発電機を作るために、ウィリアムは学校の図書館を利用しようとします。でも断られてしまう。理由は学費が未払いだから。
そこであの手この手でなんとか図書館利用が可能になるのですが、図書館と言っても30平米くらいの小さい部屋で、棚にある本もスカスカ。恐らく1000冊くらい。しかも薄めの本ばかり。
それでもそこにある本から知恵を得て、村を救う風力発電機を作ってしまう。
近所に市が運営する巨大図書館があり、200万冊以上の本が用意されているにも関わらず、風力発電機どころか紙ヒコーキすら作らない私は、いかに自分の身近にあるものから目を背けているのかということを突きつけられ、恥じらいの気持ちでモジモジが止まりませんでした。
この映画を観たか観ていないかで、年間スマホ充電感謝数と、図書館利用者数が大きく変わること間違いなしです。
もし友人がいきなりスマホを充電する際に感謝しだしたら、この映画を観たに違いないので聞いてみましょう。
このように、観れば今まで当たり前だったものが、当たり前のものではなくなる可能性のある素晴らしい映画です。
ぜひ観てみてはいかがでしょうか!
監督:キウェテル・イジョフォー
主演:マックスウェル・シンバ
日本公開日:2019年8月2日