こんにちは!
観てきました〜
監督:小林正樹
日本公開日:1983年
またまたゴリゴリの戦争題材の映画です。
戦後日本の進路を決定づけたとされる極東軍事裁判・通称「東京裁判」の記録をまとめあげた歴史的ドキュメンタリーです。
この映画、なんと上映時間が4時間37分!
まあまあ早い素人さんが走るフルマラソンです。
大阪九条にあるシネ・ヌーヴォさんで朝から上映をしているとのこと。
今日で最終だったので、見逃すわけにはいかないと思い、前日にネット予約してから向かいました。
着くや否や中を覗くとおじいちゃんおばあちゃん。。
出入り口部分がおじいちゃおばあちゃんで溢れかけていて、表面張力でギリ溢れてないお水を思い出しました。
場内は満席でなんとか端の席を確保できて一安心。
4時間越えの映画となると通路側を選びたいものです。(結局隣にパイプ椅子が出現して挟まれるのですが)
長時間の映画なのにこれほど人が集まる理由、鑑賞すれば歴然でした。
「これどうやって撮ったの」という映像が休む間も無く4時間37分流れ続ける。
地上波では目にすることのない、貴重映像の数々。
さんまさんが観れば「観ているだけで丸儲け」と連呼するはず。
静止画としてしか観たことがなかった東京裁判の様子がクリアに動く映像として、しかもダイジェストではなくしっかりと流れているではありませんか。。
流れているだけではありません、少し難しいと感じる言葉はナレーションによって簡潔にまとめられていて、裁判で取り上げられる事象をわかりやすく説明するために、実際の映像や専用に作った資料などが丁寧に差し込まれていくのです。
東京裁判に出席しながら、モニターで証言に基づく資料映像などをチェックしているような感覚。
「オレ東京裁判に出席してたよ〜」とウソをついても、相手が一般人であればウソをつき通せるくらい東京裁判に詳しくなれました。
実際の裁判は約2年半、800回にも及んだそうですが、4時間37分で体験できるのであれば精神と時の部屋に入れたようなもの。
とてもお得です!
リアル東京裁判体験をして思いました。
不思議な時間多くない?と。
私自身裁かれたことも裁いたこともないので、知らない事情がたくさんあるのだとは思いますが、これ何してるの?と思った場面が両手じゃ数えきれないほどありました。
何日間もかけて文書を読み上げたり、毎回判事が席に座るまでの時間だったり、そして何より、2年半かけて出した判決が結局最初の検察側の意見だったり、何してたのこれ?という疑問が拭いきれませんでした。
そもそもこの裁判は勝戦国が敗戦国に対して開いた裁判ということで、もはや形式上のものだったのでしょうが、形式だけの裁判をする意味はあるのでしょうか。。
もう一つ、被告にしろ検察官にしろ弁護人にしろ、感情的になった人は不利になるということが、裁判という場においてはより明確でした。
思わず腹が立って口を出してしまうと、それがキッカケになってどんどん不利な状況に追い込まれる。
とある検察官が、自分の思ったように尋問が進まずに精神的におかしくなって交代させられるという場面があったのですが、まさにそう。
裁判だけじゃなく仕事や人付き合いでもそうだような〜としみじみ思います。
感情的に言ってしまいミスにつながった嫌な思い出が脳裏をよぎります。
日本が起こした戦争も、東京裁判での被告人たちを見ていると、誰か一人が感情的に下した決断が、こじれて収集つかないところまで行った挙句、戦争につながったような気がしてなりません。
下手なこと言うより喋らない方がマシという弁護人のアドバイスはとても参考になります。
そんなこと思いながらも、あまり触れることのなかった東京裁判にベタベタ触れることができ、前後の歴史まで簡潔に教えてもらい、とてもタメになる見応えたっぷりな映画でした。
私は4時間が全く苦にならなかったです!
戦争について知恵をしっかりつけてからもう一度みるとより楽しめるかな?
来年上映されたらもう一回チャレンジしようと思います!