「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」

先日は4時間37分の長尺ドキュメンタリー映画を観てきたのですが、今日はそれに比べてとても短い3時間25分のドキュメンタリー映画を観てきました!

次2時間映画を観たらどういう感覚になるんでしょうか。。笑

 

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「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」

監督:フレデリック・ワイズマン

日本公開日:2019年5月18日

 

ドキュメンタリー映画界の巨匠であり今作の監督でもあるフレデリック・ワイズマン自らも敬愛し、世界で最も有名で観光スポットとしても知られる知の殿堂ニューヨーク公共図書館に密着したドキュメンタリー映画です。

 

ナレーションや音楽は無く、淡々と図書館の様子が映されます。

なのに飽きないんですね〜

なぜか、、

私が知っていた図書館じゃない図書館が映っていたからです!

建物の美しさは言うまでもないのですが、サービスの内容が私の近所の図書館と全然違う!

図書館といえば「本を借りる場所」というイメージで約30年生きてきた私にとって、目からウロコ、鼻からしっぽ、耳からペンチなのでした!

 

ニューヨーク公共図書館には本館と分館合わせて92館あり、それぞれ地域によって色が異なっていました。

子供の教育に力を入れる図書館、黒人文化をサポートする図書館、芸術に特化した図書館など、その地域に住む人たちに合わせて変わるサービス。

そのサービスは本館が決めるのではなく、地域の特性をよく知る分館のスタッフさんたちが決めているそう。

ある部屋ではダンス教室が行われ、ある部屋では起業セミナーが行われ、ある部屋では読書感想会が開かれる。

図書館で働く司書の方は、来たお客さんの求めるものを丁寧に汲み取って何をどう探したらいいか真摯にアドバイスをしていました。

スタッフ間でしきりに図書館の未来について討論があり、若い世代へ図書館の使い方を教育する場面も。

もちろん日本の図書館にもそのようなサービスはあるはず。

しかし人の温度が、私が日本の図書館で感じるものとは全く違いました。

スタッフさんとお客さん、お客さん同士、スタッフさん同士が図書館という公共施設の中で、温度を持ってつながっていきます。

業務としてやらされているという感じが存在せず、思いやりや熱意が人と人の間にあったように見えました。

 

いかに利用する人たちのためになるかを考える図書館のスタッフさんたち。

その心の奥には図書館で働く誇りであったり、社会貢献しているという充実感であったり、はたまた昇進といったような他の理想があるのかもしれませんが、利用する人々の立場になり、彼らのためにできることを考え実行するスタッフさんたちを見るのはとても気持ちがいいのです。

また、彼らのサポートを受けて、学び楽しむ人たちを見るのも気持ちいい。

ニューヨーク公共図書館はNPO法人で、多くが民間からの支援によって成り立っているとのこと。

支援者には、昔から図書館利用している人たちが多いそう。

図書館から無償のサポートを受け、成長した人たちが今度は図書館を支援する。

親子関係にそっくりだ。。

つまり、図書館と人がとても強い絆で結ばれているということが、映像からも、データからもわかります。

 

人同士の信頼が重要視され、クラウドファウンディングやオンラインサロンが主流となっている昨今、すでに何十年も前からニューヨーク公共図書館という場所でその価値は実証されていたのです。

ニューヨーク公共図書館には6000万点の蔵書があり、本を借りれる場所という認識は土台にもちろんあるのですが、注目される理由は「人がつながる場所」であるからなのでしょう。

それを踏まえると、たとえ書籍がデジタル化されて在庫が必要でなくなる時が仮にきたとしても、人が集まり、出会える場所として図書館が機能している限り、さらに必要とされるのかもしれません。

 

「本を借りる場所」としか思っていなかった私にとって、図書館の可能性を思い知らされた衝撃的な映画でした。。