『土竜の唄 FINAL』

公開日2021/11/19
鑑賞日2021/11/23

満足度★★★★★★★☆☆☆(7/10)


館内にはチラホラと人はいたが、場内は数えるほど。
座席に座り、予告編が始まる頃、メガネを忘れたことに気づく。
少しボヤけた状態での鑑賞になることが、決定した。
ガマンして週明けにとっておいた人生のメインイベントに、準備不足で挑んでしまった。
高見盛だったら体を叩き狂っていた。

土竜の唄に関しては全く見たことがない。
オレの得意技「シリーズ見てなくても最新作を見る」の発動である。
物語をただ楽しむだけが映画ではない。
いかに集中し、主人公になりきって、与えられた二時間を冒険できるか、これが重要なのだ。

乳首とちんぽとカモメについてのシーンが入れ替わり立ち替わり流れ始める。
メガネを忘れたことをやっぱり後悔した。
土竜の唄はエロに寛容な映画だったようだ。
高見盛だったら悔し涙を流していた。

ダイジェストで過去作の流れを優しく教えてくれた。
最近の映画はシリーズを復習する必要はないのかもしれない。
ポイントカードを出し忘れても「ポイントカードはよろしいですか?」と聞いてくれる店員さんみたいだ。
このままいくと、年齢制限が義務化されたときと同じように、シリーズ過去作についての説明が義務化される日がくるかもしれない。
行き過ぎたカスタマーファースト精神に震える。

主人公、菊川玲二(生田斗真)がおとり捜査官となって、ヤクザの親分(岩城滉一)を逮捕することが最終目的。
乳首とちんぽとカモメから始まり、ヤクザの親分を逮捕することがフィニッシュ。
フレンチのフルコースよりもこっちがいいなと、見終わってから思った。

菊川玲二はなにやら結婚間近の彼女がいる。
彼女は怒るとトマト鍋にスマホを放り投げた挙げ句、沸騰したトマト出汁をおたまで打ち水のように撒く、サイコパスな女だ。
しかし彼の上司であるという設定はなかなかいいですねえ。
女性の上司にトマト鍋の出汁をかけられると思うと、ニュアンスは変わってくる。

彼女以外にも、女性捜査官の上司や、気の強い香港ウーマンが出てくる。
亭主関白色は薄く、この作品にさだまさしの出代はあまりない。
女性だってヤクザ映画の中で活躍したいのだ。
乳首がたくさん出てくるのも、きっと「男はだまって乳でも吸っとけ」というメッセージが込められているのである。
主人公目線で堪能していた僕にとってはたまらないメッセージである。

しかし、そうはいっても、要所は男の覚悟、友情、決闘が飾る映画である。
Vシネマの経験が豊富な三池崇史監督は、男が喜ぶことを知っている。
僕はラストシーン、突拍子もないド派手演出に、劇画タッチになって喜んだ。

メガネを忘れたことを忘れさせる、興奮した2時間だった。

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