それでも僕は映画を見る〜ヤマシンの映画ブログ〜

映画の感想を書くことを生き甲斐とした男のブログでございます。

『アーミー・オブ・シーブズ』

公開日2021/10/29【Netflix独占配信】
鑑賞日2021/11/29

金庫破りオタクの銀行員セバスティアンが、謎の女グウェンに誘われる。強盗団として伝説の金庫に挑むクライムアクション。『アーミー・オブ・ザ・デッド』の前日譚となる映画だ。

主演でセバスティアンを演じたマティアス・シュヴァイクホファーは監督も兼任しているとのことだが、彼が今作のネックになっていたことは明白だった。
銀行強盗中、タイムリミットが近づき緊迫する強盗映画お決まりの場面。
映画は彼の独壇場となり、金庫うんちくと彼の気持ちよくなっている表情の波が押し寄せる。
「早く開けろ!」全視聴者が思ったはずだ。
遅刻するかしないかギリギリの場面で、改札前に電車のうんちくを話しながら立ち止まっている人がいたらどう思うだろうか。
銀行強盗で映画全体に生まれてきたスピードとリズムが一瞬で崩壊する。
残念なことに、この映画でそんな場面が4,5回やってくる。
実際であれば、その空気の読めなさから、初期の初期で捕まっているはずのセバスティアンがなぜか生き延びていく物語をどう見れば良いのか。
とりあえず頭を掻きむしった。

金庫破りの描き方にも言いたいことはある。
破れるのか破れないのか、どっちなのか、そのヒントは彼の表情と、カチカチというダイヤル音にしかない。
オレだってスマホのログイン番号を思い出すとき、彼みたいな表情をして、ポチポチとタッチパネルを押す。
彼の金庫破りの場面を、自分のスマホログイン番号思い出し場面と差し替えてもなんら問題ないのではないか。
おばあちゃんのクロスワードパズル解読場面でもいい。
世界に有数の伝説的な金庫を開けるシーンの雑さ、「その辺はCGで金かけてやっちゃえ!」と言わんばかりの低い熱量にしょぼくれた。

しかし、惹かれた部分ももちろんあった。
パートナー的存在グウェンを演じたナタリー・エマニュエルはいいですねぇ!
色気があった。
強盗団という反社会的立場に似合っていた。
女性のアフロが好きなのかもしれない。
『ワイスピSKYMISSION』(15)でもキュンですだったし、『マイサンシャイン』(18)のハル・ベリーにも同じような色気を感じた。
アフロ=包まれている=お腹の中にいたときの胎児の記憶が思い出され、母性を感じているのだろう。
アフロの女性と映画館で出会えないものか。

オーシャンズ11』や『10人の泥棒たち』が全世界で大ヒットしたように、精鋭チームでの強盗話は擦りに擦られていたとしても見飽きないジャンルだ。
それらの映画でもメンバーの1人が重要な場面で作業を止め、うんちくをペラペラ語り出せば、ファンは怒り狂い、次回作からそのキャラクターを出さないよう必死になるだろう。

『アーミー・オブ・ザ・デッド』で楽しませてもらった遊び心も今作には存在しない。
ただアーミーの登場人物の1人の過去を知るだけの物語。
そこに映画のワクワクを感じることはグウェン以外になかった。


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