それでも僕は映画を見る〜ヤマシンの映画ブログ〜

映画の感想を書くことを生き甲斐とした男のブログでございます。

『裏切りのサーカス』(2012)

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公開日2012/4/21
鑑賞日2021/12/6

1960年代東西冷戦下、イギリス秘密情報部とソ連情報部との間で繰り広げられる水面下の情報戦を描いたスパイ映画。
「フォー!!!」だけで終わらせたい気持ちと語りたい気持ちが混在するのだが、両方消化することにする。まず「フォー!!!」

トム・ハーディ目当てで鑑賞を始めたのだが、彼が役者として完全に食われている光景を目にしたのは初めてだ。
ブロンソン』や『インセプション』で見せた頼もしさはどこへやら、呆気に取られたのは主役のゲイリー・オールドマンとゲイリーの補佐役ベネディクト・カンバーバッチだった。
イカしすぎてるぜぇええ!!!
語らずとも1コマだけでどのような立場にあるのかが理解できてしまうのである。
彼らの役作り力はもちろん、マーク・アルフレッドソン監督、見た目を整えたスタッフ陣、とくに今やクリストファー・ノーランのお抱え撮影監督ホイテ・バン・ホイテマらには手をこすり合わせて感謝を申し上げたい。
車越しに夜の2人を映すショットとか最高に渋いねん!!!
一山越えた男の深みとこれから一山越える男の凛々しさが合わさってブレンディボトルコーヒーだ。
その他今作の俳優陣も圧巻で、マーク・ストロングのM字ハゲが気になる余地もなく、全員に拍手したい!!

映画と僕の間で情報戦がおこなわれているような映画でもあった。
映像で語り尽くそうとする態度は、映画好きとして至福の喜びでしかなく、意味深に映す目線、さりげなく挿入される仕草、不思議なタイミングで登場する人物など、情報量はほぼ無限と言っていいだろう。

推理劇というカテゴリーには全く収まっておらず「カッケぇぇ〜!!!」「コエぇぇ〜‼︎!」とのけぞってしまうショットやシーンがしっかりと用意されていることは、推理面白!!映画最高!!という気持ちをもたらし、めちゃくちゃ好きな人とめちゃくちゃ美味しいご飯を食べているかのような気分にしてくれた。

北野武映画のような唐突に起こる要覚悟バイオレンスシーン、静かな情報戦の中で突如顔を出す残酷さは一瞬も油断できない緊張感をつくる。
そんな過酷な状況下で行われるスパイ戦とは一体メンタルどないなっとんねん。。
原作が小説であるにせよ、一昔前の国をかけた戦いがもたらす覚悟と責任感の大きさを感じ小さい方が漏れかけるのだ。

ラストのちょっとしたユーモアを感じさせる演出も最高で、推理以上に映画をとことん愛してるのだなと表情が綻びます。

真実に辿り着くまでの道すじが僕の感情曲線とピタリと一致して、先へ進めば進むほど興奮していくその映画的エスコートセンスに僕はそのまま抱かれたっていい。

最高の映画だった!!